マダイのテンヤ釣りは、シンプルな仕掛けで大型のマダイを狙える人気の釣り方です。専用のテンヤにエビや小魚を付けて海底付近を探り、マダイの食い気を誘う釣法となります。船から行うことが多く、初心者でも比較的始めやすいのが特徴です。
この釣り方の魅力は、なんといってもマダイとの直接的なやり取りを楽しめること。テンヤ釣り特有の繊細なアタリを感じ取る楽しさと、掛かった時のダイナミックな引きは多くの釣り人を魅了しています。今回は、餌の選び方から仕掛けの作り方、実際の釣り方まで、マダイのテンヤ釣りに必要な知識を詳しく解説していきます。
マダイのテンヤ釣りとは?基本的な釣り方を知ろう
テンヤ釣りの特徴と魅力
テンヤ釣りは、専用のオモリ(テンヤ)に餌を付けて海底付近でマダイを誘う釣り方です。この釣法の最大の特徴は、仕掛けがとてもシンプルなこと。テンヤと呼ばれる鉛製のオモリにハリが付いただけの構造で、余計な小物が少ないため根掛かりしにくく、初心者にも扱いやすいんです。
また、テンヤ釣りはマダイの習性をうまく利用した釣り方でもあります。海底付近で餌を探しているマダイに対して、テンヤで海底を叩いて音を出したり、餌をゆっくりと動かしてアピールすることで食い気を誘います。この時に伝わってくる微細なアタリを感じ取る楽しさは、他の釣りでは味わえない醍醐味です。
釣れるマダイのサイズも魅力の一つ。テンヤ釣りでは30cm程度の小型から、時には60cmを超える良型まで幅広く狙えます。特に春の乗っ込み期や秋の荒食い期には、数釣りと大型狙いの両方を楽しめるでしょう。
マダイが釣れる理由とメカニズム
マダイがテンヤに食いつく理由は、その食性と習性にあります。マダイは雑食性で、エビやカニなどの甲殻類、小魚、ゴカイなどの多毛類を好んで食べる魚です。テンヤに付けるエビは、まさにマダイの大好物というわけですね。
海底付近で餌を探しているマダイは、底を叩く音や動くものに敏感に反応します。テンヤで海底を軽く叩いた時に出る音は、エビやカニが砂を巻き上げる音に似ていて、マダイの注意を引きつけるんです。さらに、ゆっくりと動くエビの姿は、弱った獲物を演出することになり、マダイの捕食本能を刺激します。
水温や潮の流れも重要な要素です。マダイは15度から20度程度の水温を好み、適度な潮の流れがある場所によく集まります。テンヤ釣りでは、このような条件の整った場所で、マダイが最も活発に餌を探している時間帯を狙うことが成功の鍵となります。
他の釣り方との違い
テンヤ釣りと他のマダイ釣りとの違いは、まず仕掛けのシンプルさにあります。一つテンヤやカゴ釣りなどと比べて、余計な仕掛けがほとんどないため、マダイとのやり取りをダイレクトに感じられます。また、根掛かりのリスクも低く、初心者でもトラブルが少ないのが特徴です。
餌の付け方にも違いがあります。一般的なマダイ釣りでは餌を針に刺すだけですが、テンヤ釣りでは専用のハリにエビを巻き付けるように装着します。この装着方法により、エビがより自然に動き、マダイにアピールすることができるんです。
釣り方のアクションも独特です。他の釣り方では餌を垂らして待つことが多いですが、テンヤ釣りでは積極的に誘いをかけます。海底を叩いたり、ゆっくりと上下に動かしたりして、マダイの食い気を刺激する動的な釣りと言えるでしょう。
テンヤ釣りで使う餌の種類と付け方のコツ
エビ餌の選び方と保存方法
テンヤ釣りで最もよく使われるのがエビ餌です。主に使われるのは車エビ、ブラックタイガー、バナメイエビなどで、中でも車エビは身が締まっていて針持ちがよく、マダイの食いも抜群です。サイズは8cm程度のものが扱いやすく、大きすぎると針に付けにくく、小さすぎるとアピール力が不足してしまいます。
新鮮なエビを選ぶポイントは、身が透明感を持っていて、触った時に弾力があることです。また、頭が取れていたり、身が崩れているものは避けましょう。冷凍エビを使う場合は、解凍時に身が崩れないよう、自然解凍かぬるま湯での解凍がおすすめです。
保存方法としては、クーラーボックスに氷を入れて冷やしておくのが基本です。エビが直接氷に触れないよう、ビニール袋に入れて保存します。塩水に漬けておく方法もありますが、長時間漬けすぎると身が柔らかくなってしまうので注意が必要です。釣行当日の朝に購入して、その日のうちに使い切るのが理想的でしょう。
イカ短冊の作り方と使い分け
イカ短冊も有効な餌の一つです。特にエビに反応が悪い時や、活性の低い時期に威力を発揮します。イカはエビよりも匂いが強く、マダイの嗅覚に訴えかける効果があるんです。使用するイカは、スルメイカやアオリイカの胴体部分を使います。
短冊の作り方は、まずイカの胴体を開いて内臓を取り除きます。次に、2cm幅、6-8cm長さに切り分けて短冊状にします。皮は取らずにそのまま使用しますが、表面に浅く切れ目を入れると、より柔らかく動くようになります。
エビとイカの使い分けは、潮の流れと魚の活性で判断します。潮が速い時はエビの方が自然に泳ぐように見えますが、潮が緩い時はイカの方がヒラヒラと魅力的に動きます。また、朝夕の活性が高い時間帯はエビ、日中の渋い時間帯はイカというように使い分けることも効果的です。
餌の付け方で釣果が変わるポイント
餌の付け方は釣果を大きく左右する重要な要素です。エビを付ける時は、まず尻尾の先端を少し切り落とし、そこから針を刺し入れます。針は背中側に沿って通し、頭の付け根近くで針先を出します。この時、エビが真っ直ぐになるよう注意深く刺すことが大切です。
エビの向きも重要なポイント。テンヤに付ける時は、エビの腹側がテンヤの下を向くようにセットします。こうすることで、海中でエビが自然な姿勢を保ち、マダイにとって違和感のない餌に見えるんです。
針の出し方にもコツがあります。針先は少しだけ出すのがポイント。出しすぎるとマダイが警戒し、出なさすぎると掛かりが悪くなります。また、エビの身が針に隙間なく密着するよう、しっかりと巻き付けることで、餌が外れにくくなり、長時間使用できます。
テンヤ仕掛けの作り方と選び方
テンヤの種類と重さの使い分け
テンヤには様々な種類がありますが、大きく分けて固定式と遊動式の2タイプがあります。固定式はテンヤとハリが一体になっているタイプで、シンプルで扱いやすいのが特徴です。遊動式はハリがテンヤから分離できるタイプで、より自然な餌の動きを演出できます。
重さの選び方は水深と潮の流れで決まります。一般的には以下のように使い分けます。
- 20-30m:3-5号
- 30-50m:5-8号
- 50m以深:8-12号
潮が速い時は重めのテンヤを選び、潮が緩い時は軽めのものを使用します。また、活性の高い魚には重めで底を叩いてアピールし、渋い時は軽めでゆっくりと誘うのが効果的です。
テンヤの色も重要な要素です。赤や金色は視認性が高く、マダイの注意を引きやすいとされています。一方で、ナチュラルなグリーンやブラウン系は警戒心の強いマダイに効果的。複数の色を用意して、当日の状況に応じて使い分けることをおすすめします。
ハリスとフックの選択方法
ハリスの太さは対象魚のサイズと根の荒さで選択します。マダイのテンヤ釣りでは、一般的に3-5号のフロロカーボンハリスが使われます。細いハリスほど魚に警戒心を与えにくいですが、大型魚や根の荒い場所では切られるリスクが高まります。
ハリスの長さは30-50cmが標準的です。短いと餌の動きが制限され、長すぎると根掛かりしやすくなります。潮の流れが速い時は短め、流れが緩い時は長めにセットするのが基本です。
フック選びも重要なポイント。マダイ専用のテンヤフックは、マダイの口の形に合わせて設計されており、掛かりが良くバラシにくいのが特徴です。サイズは餌の大きさに合わせて選びますが、エビ餌なら丸海津の7-9号程度が適当でしょう。針先の鋭さは定期的にチェックし、鈍っていたら交換することが大切です。
仕掛けの結び方と強度のチェック
テンヤ仕掛けの基本的な結び方は、まずメインラインに遊動式のテンヤを通し、その下にスイベルを結びます。スイベルから下にハリス、そしてフックという順番になります。結び目は「完全結び」や「パロマーノット」など、強度の高い結び方を使用しましょう。
結び目の強度チェックは釣行前の重要な作業です。結んだ後は必ず引っ張りテストを行い、結び目がしっかりしていることを確認します。特にハリスとフックの結び目は、マダイの強い引きに耐える必要があるため、入念にチェックしてください。
仕掛けの全体的なバランスも大切です。テンヤの重さとハリスの長さ、フックのサイズが調和していることで、餌が自然に動き、マダイにアピールします。また、スイベルの品質にも注意が必要。安物は回転しなくなったり破損することがあるため、信頼できるメーカーの製品を選びましょう。
マダイテンヤ釣りに必要な道具一式
ロッドの選び方(長さと調子)
テンヤ釣り専用ロッドは、2.1m-2.7m程度の長さが一般的です。船釣りが中心となるため、あまり長すぎると取り回しが悪くなってしまいます。2.3m前後が最も扱いやすく、多くの船で問題なく使用できるでしょう。
調子については、7:3調子または6:4調子のものがおすすめです。先調子すぎると繊細なアタリは取れますが、大型魚とのやり取りで折れるリスクが高まります。一方、胴調子すぎると微細なアタリを感じ取りにくくなってしまいます。
ロッドの硬さは、使用するテンヤの重さで選びます。5-8号のテンヤを使用する場合はM(ミディアム)クラス、8-12号を使う場合はMH(ミディアムヘビー)クラスが適当です。また、穂先の感度も重要な要素。カーボン素材でできた高感度なものを選ぶことで、マダイの微細なアタリを確実に感じ取ることができます。
リールとラインの組み合わせ
テンヤ釣りには小型の両軸リールまたはスピニングリールを使用します。両軸リールの場合は、ダイワのレオブリッツ150やシマノのフォースマスター200などがおすすめ。手返しの良さと巻き上げ力のバランスが取れています。
スピニングリールなら2500-4000番クラスが適当です。ドラグ性能が良く、大型のマダイとのやり取りでもスムーズに対応できるものを選びましょう。また、塩水対応の防錆処理がされているものを選ぶことも重要です。
ラインはPEラインの0.8-1.2号が標準的です。細いラインほど感度が良く、潮の抵抗も少ないですが、根ズレに弱くなります。水深50m程度までなら1号、それ以深では1.2号を使用するのが無難でしょう。リーダーにはフロロカーボンの3-4号を1.5-2m程度取り、メインラインとの接続部分の強度を確保します。
その他の必須アイテム
クーラーボックスは釣果を新鮮に保つために必須です。日帰りなら15-20L程度の容量があれば十分でしょう。氷をたっぷり入れて、釣れたマダイをすぐに冷やせるよう準備しておきます。
タックルボックスには、予備のテンヤやフック、ハリス、餌などを整理して収納します。海上では風で小物が飛ばされやすいため、フタ付きの区画があるものが便利です。また、プライヤーやハサミなどの工具類も忘れずに用意しましょう。
その他の必要なアイテムは以下の通りです。
- レインウェア(突然の雨対策)
- 帽子とサングラス(日除け対策)
- 日焼け止め
- タオル(手拭き用)
- 魚つかみ(マダイの歯で怪我をしないため)
- 水くみバケツ(手洗い用)
安全面では、ライフジャケットの着用が義務付けられている船も多いため、必ず準備しておきましょう。
釣り場選びと時期・時間帯のポイント
マダイが釣れやすい海域と水深
マダイは日本全国の沿岸域に生息していますが、特に好む環境があります。岩礁帯と砂地の境目、潮通しの良い根周り、ブレイクライン付近などが一級ポイントです。これらの場所にはマダイの餌となる小魚やエビ、カニなどが豊富に生息しているためです。
水深については、20m-80m程度の範囲が最も実績が高いとされています。浅すぎると船の音や影でマダイが警戒し、深すぎると餌の届く範囲が限定されてしまいます。特に30m-50m前後の水深は、マダイの活性が高く、テンヤ釣りに最適な条件が揃いやすいでしょう。
地形的には、緩やかな斜面になっている場所が狙い目です。急な崖のような地形よりも、段々状になった地形の方がマダイが着きやすく、テンヤでの攻略もしやすくなります。魚群探知機で海底の様子を確認し、起伏に富んだ場所を見つけることが釣果アップの近道となります。
ベストシーズンと潮回り
マダイのテンヤ釣りのベストシーズンは、春の乗っ込み期(3月-5月)と秋の荒食い期(9月-11月)です。春は産卵に向けて体力をつけるため活発に餌を食べ、秋は冬に備えて栄養を蓄えようとするため、どちらも食い気が旺盛になります。
潮回りでは、大潮から中潮にかけての期間が最も期待できます。潮の動きが活発な時期は、マダイの活性も高くなる傾向があります。特に潮が動き始める時間帯や、潮止まり前後の時間は、マダイの食いが立つことが多いようです。
小潮の時期は一般的に釣りにくいとされていますが、逆に大型のマダイが釣れることもあります。これは、潮の動きが緩やかな時期は警戒心の強い大型魚が餌を食いやすくなるためです。どの潮回りでも諦めずに挑戦することが大切でしょう。
朝夕マズメの狙い方
朝夕のマズメ時は、マダイの活性が最も高くなる時間帯として知られています。朝マズメは日の出前後の1時間程度、夕マズメは日没前後の1時間程度が勝負の時間です。この時間帯は、プランクトンが活発に動き、それを追って小魚が動き回るため、マダイの食い気も高まります。
朝マズメでの攻略法は、暗いうちから釣り座に着いて準備を整えることです。明るくなり始めた時点でテンヤを投入し、積極的に誘いをかけます。この時間帯は短時間勝負になることが多いため、手返し良く効率的に探ることが重要です。
夕マズメでは、昼間に渋かった場所でも突然活性が上がることがあります。日中に実績のあるポイントを再度攻めてみたり、少し移動して新しいポイントを試してみるのも効果的です。夕マズメ後の夜釣りも可能ですが、安全面に十分注意して行いましょう。
実践的な釣り方とアタリの取り方
投入からボトム取りまでの手順
テンヤを投入する時は、まず風と潮の流れを確認します。船が流される方向とは反対側に投入することで、仕掛けが船底に絡むトラブルを避けられます。投入後はサミングしながらテンヤを沈め、着底の瞬間を見逃さないよう集中します。
着底の合図はロッドティップの震えや、ラインの張りが急に緩むことで分かります。着底したらすぐにリールを1-2回転巻き上げ、テンヤを海底から少し浮かせます。この状態でマダイにアピールするのがテンヤ釣りの基本姿勢です。
ボトムの取り方にはコツがあります。初心者は着底を感じにくいことが多いですが、ロッドを軽く上下に動かしながら沈めることで、海底との接触をより感じやすくなります。また、潮が速い時は着底後もテンヤが流されるため、こまめにボトムを取り直すことが重要です。
誘い方とアタリのパターン
テンヤでの基本的な誘い方は、海底を軽く叩いてから1-2m巻き上げ、そこでステイさせるというパターンです。海底を叩く音でマダイの注意を引き、その後のステイ中に食わせるのが狙いです。叩く強さは優しく、底質を巻き上げない程度に抑えましょう。
アタリのパターンは大きく分けて3つあります。一つ目は「コツコツ」という明確なアタリ。これはマダイが餌をつついている状態で、少し待ってからアワセを入れます。二つ目は「モゾモゾ」という重みを感じるアタリ。これはマダイが餌を咥えて動いている状態です。
三つ目は「スーッ」とラインが出ていくアタリ。これはマダイが餌を咥えて泳ぎ出している状態で、最もアワセのタイミングが重要です。どのアタリでも、焦らずにマダイが確実に餌を咥えたことを確認してからアワセを入れることが成功の秘訣です。
やり取りと取り込みのコツ
マダイが掛かったら、まずは落ち着いてやり取りを開始します。最初の突っ込みは強烈なので、ドラグを適切に設定して対処します。無理に止めようとせず、ある程度走らせてから徐々にプレッシャーを掛けていくのがコツです。
やり取り中は、マダイの動きに合わせてロッドワークを使い分けます。マダイが底に潜ろうとした時は、ロッドを立てて浮上させ、横に走った時は魚の進行方向と逆にロッドを向けます。また、根に潜られそうな時は、強めのプレッシャーを掛けて引き離すことも必要です。
取り込み時は慎重に行います。マダイは最後まで暴れることが多いため、タモ網を使用する場合は頭から確実にすくい上げます。素手で取り込む場合は、エラブタを持つのが基本ですが、マダイの歯は鋭いため、魚つかみを使用することをおすすめします。
釣果アップのための上級テクニック
潮の流れを読んだ攻略法
潮の流れを読むことは、テンヤ釣りで安定した釣果を上げるために欠かせません。潮が速い時は、テンヤが流されやすくなるため、重めのものを使用して底を確実に攻めます。また、アップクロス(潮上)にキャストして、潮に乗せながら探る方法も効果的です。
潮が緩い時は、軽めのテンヤでゆっくりと誘いをかけます。この時期はマダイの活性も落ちがちなので、長めのステイを心がけ、じっくりと食わせる時間を作ることが大切です。また、微細な潮の変化も見逃さず、少しでも潮が動き出したら積極的に攻めましょう。
潮目や潮の境目も重要なポイントです。異なる潮がぶつかる場所には、プランクトンや小魚が集まりやすく、それを狙ってマダイも回遊してきます。船長の指示に従いながら、このような変化のある場所を重点的に攻めることで、釣果アップが期待できます。
ベイトフィッシュに合わせた餌選択
海域によって生息するベイトフィッシュが異なるため、それに合わせた餌選択が重要です。イワシが多い海域では、イワシに似た細長い餌(イカ短冊など)が効果的。一方、エビやカニが豊富な岩礁帯では、エビ餌の効果が高くなります。
ベイトの大きさにも注目しましょう。小さなベイトが多い時期は、餌も小さめのものを使用します。逆に、大きなベイトが回遊している時は、存在感のある大きめの餌を使うことで、マダイにアピールできます。
魚群探知機でベイトの反応を確認することも大切です。ベイトが濃い場所の直下や周辺にマダイが潜んでいることが多いため、このような場所を重点的に攻めます。また、ベイトの動きに合わせて餌の動かし方を変えることも、より自然なプレゼンテーションにつながります。
状況に応じた仕掛け変更
釣況に応じて仕掛けを変更することは、上級者の重要なテクニックです。活性の高い時は、アピール力の強い大きめのテンヤと太めのハリスを使用。反対に、渋い時は小さめのテンヤと細いハリスで、マダイに警戒心を与えないよう配慮します。
水深や地形に応じた変更も必要です。根の荒い場所では、根掛かり回避のために遊動式テンヤを使用し、砂地では固定式で確実に底を攻めます。また、潮の流れが速い時は、ハリスを短めにして餌の動きをコントロールしやすくします。
季節による変更も重要な要素です。春の乗っ込み期には産卵を控えたマダイの食性に合わせ、秋の荒食い期には冬に備えて栄養を蓄えるマダイの習性に合わせて仕掛けを調整します。経験を積むことで、その日その時の最適な仕掛けを選択できるようになるでしょう。
まとめ
マダイのテンヤ釣りは、シンプルな仕掛けでありながら奥の深い釣りです。餌の選び方から付け方、仕掛けの作り方、実際の釣り方まで、それぞれにコツがあり、これらを理解することで釣果は大きく変わってきます。
特に重要なのは、マダイの習性を理解し、その時その時の状況に合わせて柔軟に対応することです。潮の流れや水温、ベイトフィッシュの状況などを総合的に判断し、最適なアプローチを選択していくことが成功への近道となります。
最初のうちは思うようにいかないこともあるでしょうが、経験を重ねることで必ず上達していきます。何よりも安全第一で楽しみながら、マダイとのやり取りを存分に味わってください。美味しいマダイを釣り上げる喜びは、きっと病みつきになることでしょう。
