相模湾といえば、関東圏からアクセスしやすい絶好の釣り場です。特に夏から秋にかけて狙えるキハダは、引きの強さと食べごたえで多くの釣り人を魅了しています。
「今年こそ大物を釣り上げたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。相模湾のキハダ釣りは、初心者でもコツを掴めば十分に楽しめる釣りです。適切なタイミングと場所、そして基本的な仕掛けを理解すれば、きっと満足のいく釣果を得られるでしょう。
この記事では、相模湾でのキハダ釣りについて、釣れやすい時期から具体的な釣り方まで詳しく解説していきます。遊漁船の選び方や必要な道具についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
相模湾キハダ釣りのベストシーズンはいつ?
相模湾でキハダを狙うなら、時期選びが釣果を大きく左右します。海水温や回遊パターンを理解して、最適なタイミングで出船しましょう。
8月~10月が最も活発になる理由
相模湾のキハダシーズンは8月から10月がピークです。この時期は海水温が22度以上になり、キハダが最も活発にエサを追い回します。特に9月中旬から10月上旬は、大型のキハダが回遊してくる確率が高くなります。
水温が上がることで、キハダのエサとなる小魚も豊富になります。イワシやサバの群れを追って、大型のキハダが相模湾に入ってくるのです。この時期なら、20キロを超える大物に出会える可能性も十分あります。
時間帯で狙い目が変わる
キハダは朝マズメと夕マズメに最も活性が高くなります。朝の4時から6時頃、夕方の16時から18時頃が狙い目です。この時間帯は水面近くまでキハダが浮上してくるため、ルアーでの釣果も期待できます。
日中でも釣れないわけではありませんが、深場に潜っていることが多くなります。エサ釣りなら日中でも十分に狙えるので、時間帯に合わせて釣り方を変えることが大切です。
潮回りと天候をチェックする
大潮から中潮の時期が最も期待できます。潮の流れが速いと、小魚が散らばりやすくなり、それを狙うキハダも活発に動き回ります。小潮の時期でも釣れることはありますが、潮の動きが少ない分だけ魚の活性も下がりがちです。
天候については、晴れの日よりも曇りや薄曇りの方が釣果が良い傾向があります。強い日差しを嫌うキハダの習性を考えると、適度に雲がかかった日の方が表層まで上がってきやすいのです。
キハダが集まる相模湾のポイント選び
相模湾には数多くの好ポイントがありますが、キハダが集まりやすい場所には共通の特徴があります。水深や地形を理解して、効率よく狙いましょう。
城ヶ島沖の深場エリア
城ヶ島から南に5〜10キロ沖合いの深場は、相模湾屈指のキハダポイントです。水深100〜200メートルの範囲で、潮通しが良く常に新鮮な海水が流れ込んでいます。
このエリアには大型のベイトフィッシュが多く、それを狙って回遊してくるキハダも自然と大型になります。城ヶ島沖で釣れるキハダは平均サイズが大きく、15キロ以上の個体も珍しくありません。
平塚や茅ヶ崎からの遊漁船でもアクセスできますが、やや距離があるため船によっては行かない場合もあります。事前に船宿に確認しておくと良いでしょう。
平塚~茅ヶ崎沖の根周り
平塚から茅ヶ崎にかけての沖合い、水深50〜100メートルの根周りもキハダの好ポイントです。海底に起伏があることで潮の流れが複雑になり、小魚が集まりやすい環境が作られています。
このエリアのキハダは比較的小型が多めですが、数釣りが期待できます。初心者や家族連れでの釣りにもおすすめのエリアです。また、平塚港や茅ヶ崎港からのアクセスが良いのも魅力です。
根周りでは仕掛けの根掛かりに注意が必要です。予備の仕掛けを多めに用意しておくと安心です。
初島~伊豆半島近海
初島から伊豆半島東岸にかけての海域も、キハダの好漁場として知られています。黒潮の影響を受けやすく、海水温が高めに保たれるのが特徴です。
この海域では、キハダ以外にもカツオやシイラなど様々な回遊魚が狙えます。一日で複数の魚種を楽しめるのも魅力の一つです。熱海や伊東からの遊漁船を利用すれば、比較的近い距離でアクセスできます。
大物キハダを仕留める仕掛けと道具
キハダ釣りでは、魚の強烈な引きに耐えられる頑丈な道具選びが重要です。大物との格闘を想定して、バランスの良いタックルを組みましょう。
リールはスピニングとベイトどちらがいい?
初心者にはスピニングリールをおすすめします。ライントラブルが少なく、キャストも簡単です。サイズは8000番から10000番クラスが適しています。ドラグ性能が重要なので、信頼できるメーカーの製品を選びましょう。
ベイトリールは上級者向けですが、巻き上げパワーではスピニングリールを上回ります。大型のキハダを狙うなら、300番から400番クラスのベイトリールも選択肢に入ります。ただし、バックラッシュのリスクがあるため、使い慣れていない方は避けた方が無難です。
リールの価格帯は、スピニングで2万円から5万円、ベイトで3万円から7万円程度が目安です。安価すぎるリールはドラグ性能に不安があるため、ある程度の投資は必要と考えましょう。
ラインの太さと長さの選び方
メインラインはPE3号から4号が基本です。300メートル以上巻いておけば、大物が走っても安心です。キハダは初期の突っ込みが激しいため、十分な長さのラインが必要になります。
リーダーはフロロカーボンの50ポンドから80ポンドを使用します。長さは5メートル程度で十分ですが、根ズレ対策として太めを選んでおくと安心です。
ライン選びでは耐久性を重視しましょう。安価なラインは突然切れることがあるため、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが大切です。
以下のライン組み合わせが実績があります
- PE3号 + リーダー50ポンド(中型キハダ狙い)
- PE4号 + リーダー60ポンド(大型キハダ狙い)
- PE5号 + リーダー80ポンド(超大物狙い)
ルアーとエサ釣りの使い分け
ルアーフィッシングは朝夕のマズメ時が効果的です。メタルジグの80グラムから150グラムを中心に、カラーはブルーピンクやグリーンゴールドが定番です。表層から中層を探るなら、ミノーやポッパーも有効です。
エサ釣りは時間帯を選ばず楽しめます。活きイワシを使った泳がせ釣りが最も実績が高く、船宿でエサを用意してくれる場合が多いです。カツオの切り身を使ったぶっこみ釣りも効果的です。
どちらの釣り方を選ぶかは、当日の海の状況や魚の活性によって判断しましょう。船長のアドバイスを聞きながら、臨機応変に対応することが釣果アップのコツです。
キハダのアタリを見逃さない釣り方のコツ
キハダ釣りの醍醐味は、その強烈な引きとスピード感あふれるファイトです。アタリの取り方からやり取りまで、基本的なテクニックをマスターしましょう。
中層から表層への誘い方
キハダは基本的に中層から表層を回遊しています。メタルジグを使う場合は、底まで落としてから中層でシャクることから始めましょう。5回から10回シャクったら、一度止めて魚にアピールします。
反応がない場合は、レンジを変えて探ってみましょう。表層近くにいることもあるので、浅いレンジも忘れずにチェックします。ルアーの動きに変化をつけることで、キハダの興味を引くことができます。
エサ釣りの場合は、活きイワシを中層で泳がせます。重りで底まで沈めてから、ゆっくりと中層まで上げてくるのが基本パターンです。イワシが元気に泳いでいるうちが勝負なので、定期的にエサの状態をチェックしましょう。
群れを見つけるサインの読み方
海面で鳥が騒いでいる場所は、小魚の群れがいる証拠です。その下にはキハダが潜んでいる可能性が高いので、積極的に狙ってみましょう。カモメやウミネコが集まっている場所は特に有望です。
ナブラ(魚が水面で暴れること)が見えたら、絶好のチャンスです。ただし、近づきすぎると群れが散ってしまうので、適度な距離を保ちながらアプローチしましょう。
魚探に反応があっても、必ずしもキハダとは限りません。アジやサバの群れの場合もあるので、実際に仕掛けを入れて確認することが大切です。
大物との格闘で気をつけること
キハダがヒットしたら、最初の突っ込みに備えてドラグを緩めに設定しておきます。無理に止めようとするとラインブレイクの原因になります。魚が走る方向にロッドを向けて、ラインにテンションをかけすぎないよう注意しましょう。
ファイト中は魚の動きに合わせてやり取りします。魚が浮上してきたら巻き上げ、潜ろうとしたら無理に引き上げずに魚の力を利用して疲れさせます。焦らずに時間をかけることが、確実にキャッチするコツです。
船べりまで魚を寄せたら、船長にネットを頼みましょう。自分でランディングしようとすると、最後の最後でバラしてしまうことがあります。
遊漁船選びで釣果が変わる
相模湾には多くの遊漁船がありますが、キハダ釣りの実績や設備によって釣果は大きく変わります。自分のレベルに合った船を選ぶことが重要です。
キハダ実績の高い船宿リスト
平塚港の「第一あおき丸」は、相模湾キハダ釣りの老舗船宿です。船長の経験が豊富で、ポイント選びが的確と評判です。初心者向けのレクチャーも丁寧で、道具のレンタルも充実しています。
茅ヶ崎港の「金沢丸」は、最新の魚探を装備した近代的な船です。キハダの群れを見つける能力が高く、安定した釣果を誇ります。船内設備も充実しており、女性や高齢者でも快適に釣りを楽しめます。
熱海港の「勇進丸」は、初島周辺でのキハダ釣りに定評があります。比較的近距離での釣りなので、船酔いが心配な方にもおすすめです。料金もリーズナブルで、気軽にキハダ釣りを体験できます。
料金相場と予約のタイミング
相模湾のキハダ船の料金は、一人12,000円から18,000円程度が相場です。この料金には船代、氷、エサ(イワシ)が含まれることが多いです。レンタルタックルを利用する場合は、別途2,000円から3,000円程度かかります。
予約は遅くとも前日までに済ませておきましょう。特に土日祝日や夏休み期間中は予約が取りにくくなります。平日なら比較的空いているので、都合がつく方は平日での出船がおすすめです。
キャンセル料は船宿によって異なりますが、前日キャンセルで50%、当日キャンセルで100%というパターンが一般的です。天候不良による欠航の場合は、通常キャンセル料は発生しません。
初心者でも安心できる船の特徴
初心者におすすめなのは、乗船定員が20名以下の小型船です。船長の目が行き届きやすく、個別指導を受けやすいからです。大型船は安定感がありますが、乗船者が多いと十分なサポートを受けられない場合があります。
レンタルタックルが充実している船宿を選ぶことも重要です。ロッド、リール、仕掛けまで一式レンタルできれば、手ぶらで参加できます。道具選びで迷うこともないので、初心者には特におすすめです。
安全面では、ライフジャケットの貸し出しや安全講習の実施を行っている船宿を選びましょう。最近は法律でライフジャケットの着用が義務化されているので、必ず着用してください。
以下の設備があると初心者でも安心です
- 水洗トイレ
- 座席にクッション
- 日除けテント
- 電動リール用電源
- 救命用具完備
キハダ釣りで準備しておきたい持ち物
キハダ釣りを快適に楽しむためには、事前の準備が欠かせません。基本的な道具から快適性を高めるアイテムまで、しっかりとチェックしておきましょう。
基本タックル以外に必要なもの
プライヤーは必須アイテムです。キハダの口は硬く、手でフックを外すのは困難です。ステンレス製で錆びにくいものを選びましょう。ハサミも持参して、ラインカットやリーダー交換に備えます。
タオルは多めに持参しましょう。魚を掴む用、手を拭く用、汗を拭く用と、最低3枚は必要です。濡れても良い服装で、着替えも一式持参すると安心です。
仕掛けや小物を整理するタックルボックスがあると便利です。船上では物が散らかりやすいので、整理整頓が釣果向上につながります。フックやスナップなどの小物は予備を多めに用意しておきましょう。
船酔い対策と安全装備
船酔いが心配な方は、乗船の30分前に酔い止め薬を服用しましょう。空腹時や睡眠不足は船酔いしやすくなるので、軽い食事と十分な睡眠を心がけます。船上では遠くの景色を見るようにすると、酔いにくくなります。
ライフジャケットは船宿で貸し出してくれますが、自分専用のものがあると快適です。動きやすさを重視して、ベストタイプを選ぶと良いでしょう。最近は自動膨張式のものもあり、普段は邪魔になりません。
日焼け対策も重要です。海上は紫外線が強いので、帽子、サングラス、日焼け止めクリームは必需品です。長袖のシャツがあると、より安心です。
クーラーボックスのサイズ選び
キハダは大型魚なので、それなりの大きさのクーラーボックスが必要です。一人での釣行なら40リットル、複数人なら60リットル以上を目安にしましょう。断熱性能の高いものを選べば、氷の持ちも良くなります。
氷は船宿で用意してくれることが多いですが、追加分を持参すると安心です。保冷剤よりも氷の方が冷却効果が高いので、可能な限り氷を使いましょう。
クーラーボックスには濡れタオルを敷いておくと、魚の鮮度が保てます。塩水氷を作って魚を冷やすのが理想的ですが、真水でも十分です。
以下のアイテムがあると釣りがより快適になります
- 折りたたみ椅子(船に備え付けがない場合)
- 防水スマホケース
- 小銭入れ(濡れても平気なもの)
- 軍手(魚を掴む時に便利)
- ウェットティッシュ
まとめ
相模湾でのキハダ釣りは、適切な時期とポイント選び、そして基本的な道具と技術があれば十分に楽しめる釣りです。8月から10月のベストシーズンを狙い、実績のある船宿を選ぶことから始めましょう。
大物キハダとのファイトは、他の釣りでは味わえない興奮と達成感を与えてくれます。最初は小型でも、コツを掴めば必ず大物に出会えるはずです。安全第一で、相模湾の豊かな海を満喫してください。
準備を整えて、ぜひ今シーズンは相模湾でキハダ釣りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。きっと忘れられない釣り体験が待っています。
