薬学部を選んで後悔している人は実はたくさんいます。「薬剤師になりたい」という憧れで進学したものの、現実は想像以上に厳しくて辛いという声が絶えません。
この記事では、薬学部に進学した人が感じる6つの大きな後悔から、学費・就職・国家試験の現実まで包み隠さずお伝えします。これから薬学部を目指す人や、現在薬学部で悩んでいる人にとって参考になる内容です。
薬学部に進学して感じた6つの大きな後悔
薬学部への進学を後悔する理由は人それぞれですが、多くの学生が共通して感じる6つの大きな後悔があります。これらは入学前に知っておきたかった現実でもあります。
想像していたより学費が重すぎる負担
薬学部の学費は他の学部と比べて圧倒的に高額です。特に私立薬学部では年間200万円を超える学費が6年間続くため、総額1,200万円以上かかります。
国立薬学部でも6年間で約350万円、さらに実習費や教材費を含めると400万円近くになります。この金額は一般家庭にとって相当な負担ですよね。
多くの学生が奨学金を借りて進学しますが、卒業時には数百万円の借金を抱えることになります。薬剤師の初任給では返済が大変で、「もっと学費の安い学部にしておけば良かった」と後悔する人が後を絶ちません。
6年間の勉強がハードすぎて自由な時間が一切ない
薬学部は6年制で、しかも勉強量が膨大です。必修科目が多く、実習やレポート作成に追われる日々が続きます。
他の学部の友人がサークル活動やアルバイト、遊びを楽しんでいる中、薬学生は朝から晩まで勉強漬けです。特に実験が始まると、レポート提出に追われて睡眠時間もまともに取れません。
「大学生活を楽しみたかった」「もっと自由な時間が欲しかった」という声は薬学生の間では当たり前の愚痴になっています。青春時代の6年間を勉強だけに費やすことの重さを、入学してから痛感する人が多いのです。
国家試験へのプレッシャーと不安で押しつぶされそう
薬剤師国家試験の合格率は約70%程度で、3人に1人は落ちる計算です。6年間勉強して国家試験に落ちたら、すべてが水の泡になってしまいます。
6年生になると国家試験対策が中心となり、大学の授業も国試対策一色になります。模擬試験の結果に一喜一憂し、「落ちたらどうしよう」という不安で夜も眠れない学生が続出します。
このプレッシャーは相当なもので、精神的に参ってしまう学生も少なくありません。「こんなに不安な思いをするなら、もっと楽な学部にしておけば良かった」と後悔する人が多いのも納得です。
就職市場での薬剤師の立ち位置が思ったより低い
薬剤師は国家資格で安定していると思われがちですが、実際の就職市場での評価はそれほど高くありません。給料も期待していたほどもらえないことが多いです。
調剤薬局やドラッグストアでの勤務が中心となりますが、労働環境は決して良いとは言えません。立ち仕事が多く、患者対応でのストレスも相当なものです。
病院薬剤師を目指す人もいますが、狭き門で競争が激しいのが現実です。「6年間も勉強したのに、この程度の待遇なのか」とがっかりする新人薬剤師は多いですよ。
留年や中退を考えるほど勉強についていけない
薬学部の勉強は本当に大変で、留年率も他の学部と比べて高いのが特徴です。特に有機化学や薬理学などの専門科目でつまずく学生が続出します。
実習では徹夜でレポートを書くことも珍しくなく、体力的にも精神的にも追い込まれます。「もう無理だ」と中退を考える学生も毎年一定数います。
ストレートで卒業できる学生の方が少ないというのが薬学部の現実です。留年すれば当然学費もかかりますし、精神的ダメージも大きいです。「自分には薬学部は向いていなかった」と後悔する瞬間でもあります。
他の学部を選んでおけばよかったという強い後悔
薬学部で苦労を重ねるうちに、「なぜこの学部を選んでしまったのか」という根本的な後悔を感じる学生が多いです。
他の学部の友人が楽しそうに大学生活を送っているのを見ると、羨ましくて仕方ありません。特に理系なら工学部や理学部、文系なら経済学部や法学部など、もっと楽で就職の良い学部があったのではと考えてしまいます。
「薬剤師になりたい」という気持ちも薄れていく中で、6年間という長い時間を過ごすのは本当に辛いものです。進路選択の重要性を身をもって感じる瞬間でもあります。
薬学部の学費がきつい理由と金銭的な現実
薬学部の学費が高額な理由と、実際にかかる費用の内訳を詳しく見ていきましょう。多くの家庭にとって重い負担となる現実があります。
私立薬学部の年間200万円超えで6年間続く高額学費
私立薬学部の学費は年間約200〜250万円が相場です。6年間で計算すると1,200〜1,500万円という膨大な金額になります。
この金額には授業料だけでなく、施設設備費や実習費も含まれています。薬学部は実験設備や薬品などにお金がかかるため、どうしても学費が高くなってしまうのです。
さらに教科書代や白衣、実験器具などの費用も別途必要です。1年生だけで教科書代が10万円を超えることも珍しくありません。「こんなにお金がかかるとは思わなかった」という声をよく聞きます。
奨学金の借金地獄で卒業後も返済に追われる現実
高額な学費のため、多くの薬学生が奨学金を借りています。日本学生支援機構の第二種奨学金（有利子）を月10万円借りた場合、6年間で720万円の借金を背負うことになります。
卒業後の返済額は月約4万円で、20年間返済が続きます。薬剤師の初任給は22〜25万円程度なので、手取りから4万円の返済はかなりきついですよね。
実家からの仕送りがない学生は生活費も借りるため、総借入額が1,000万円を超えるケースも珍しくありません。「薬剤師になったのに借金返済で生活が苦しい」という卒業生の声は深刻な問題です。
実習費や教材費などの隠れた出費もバカにならない
薬学部では学費以外にも様々な費用がかかります。実習費は年間20〜30万円、教材費も年間15〜20万円程度必要です。
5年次の実務実習では交通費や宿泊費が自己負担になることも多く、数十万円の出費となります。病院や薬局によっては遠方での実習になるため、アパートを借りる必要がある場合もあります。
国家試験対策の予備校費用も30〜50万円程度かかります。これらの「隠れた出費」を含めると、私立薬学部では6年間で1,800万円以上かかることも珍しくありません。「想定外の出費が多すぎる」というのが多くの薬学生家庭の本音です。
薬学部の就職事情で感じるリアルな不安
薬剤師は安定した職業というイメージがありますが、実際の就職事情は厳しい現実があります。給料や労働環境について詳しく見ていきましょう。
薬剤師の給料が期待していたほど高くない現実
薬剤師の初任給は調剤薬局で22〜25万円、ドラッグストアで25〜28万円程度が相場です。6年制大学を卒業した割には決して高いとは言えません。
病院薬剤師はさらに低く、20〜22万円程度が一般的です。夜勤手当を含めても月収25万円前後で、他の医療職と比べても待遇が良いとは言えません。
年収で見ても400〜500万円程度で頭打ちになることが多く、大幅な昇給は期待できません。「6年間勉強してこの給料か」とがっかりする新人薬剤師は多いですよ。学費を回収するのに何年かかるのか不安になる人も少なくありません。
激務なのに待遇がよくない職場環境に愕然
薬剤師の仕事は意外と激務です。調剤薬局では一日中立ちっぱなしで、処方箋の枚数が多い日は休憩もまともに取れません。
患者からのクレーム対応も多く、精神的なストレスも相当なものです。「薬が効かない」「副作用が出た」などの苦情を受けることもあり、責任の重さを痛感します。
ドラッグストアでは調剤業務に加えて販売業務もあり、さらに忙しくなります。土日祝日も営業しているため、休みが取りにくいのも大きなデメリットです。「こんなに大変だとは思わなかった」という声をよく聞きます。
他の理系学部と比べて就職先の選択肢が狭い
薬学部卒業生の就職先は薬局・ドラッグストア・病院・製薬会社がメインですが、実際には薬局・ドラッグストアに就職する人が大半です。
製薬会社の研究職は超狭き門で、旧帝大などの上位校でも就職するのは難しいのが現実です。MRという営業職もありますが、薬学部である必要性は低く、他学部出身者との競争になります。
工学部や理学部なら製造業やIT企業など幅広い選択肢がありますが、薬学部は薬剤師としての就職がメインになってしまいます。「もっと選択肢の多い学部にしておけば良かった」と後悔する卒業生は多いです。
国家試験対策で追い詰められる薬学生の現実
薬剤師国家試験は薬学部6年間の集大成ですが、そのプレッシャーは想像以上に大きいものです。国家試験の現実について詳しく見ていきましょう。
合格率の低さに震え上がる国家試験のプレッシャー
薬剤師国家試験の合格率は例年70%前後で推移しています。これは10人中3人が落ちる計算で、決して甘い試験ではありません。
特に私立薬学部の中には合格率が50%を下回る大学もあり、2人に1人が落ちる状況です。大学側も合格率を上げるため、成績の悪い学生には受験させないという「足切り」を行うことも珍しくありません。
模擬試験の結果が悪いと、「国家試験に落ちたらどうしよう」という不安で夜も眠れなくなります。6年間の努力がすべて水の泡になる可能性があるプレッシャーは相当なものです。
6年生は国試対策だけで1年が終わってしまう現実
薬学部6年生の1年間は、ほぼ国家試験対策で埋め尽くされます。大学の授業も国試対策が中心となり、卒業研究もそこそこに試験勉強漬けの日々が続きます。
朝から晩まで予備校や図書館で勉強し、模擬試験を受けての繰り返しです。友人との時間や趣味の時間はほとんどありません。
「大学最後の1年間が勉強ばかりで終わってしまった」と後悔する学生は多いです。他の学部の友人が就職活動や卒論で忙しい中、薬学生は国家試験という別の重圧と戦っています。
国家試験に落ちたら薬学部6年間が全部無駄になる恐怖
国家試験に落ちてしまうと、薬剤師として働くことができません。6年間の勉強と高額な学費がすべて無駄になってしまう恐怖は計り知れません。
浪人して翌年再受験することもできますが、その1年間は収入がなく、予備校費用もかかります。精神的なダメージも大きく、立ち直るのに時間がかかります。
「もし落ちたらどうしよう」という恐怖感は、薬学部6年生にとって常につきまとうものです。この恐怖感が原因でうつ状態になってしまう学生も少なくありません。国家試験というプレッシャーの大きさを実感する瞬間でもあります。
薬学部の勉強がハードすぎて挫折しそうになる理由
薬学部の勉強の大変さは他の学部とは比較にならないレベルです。具体的にどのような点が大変なのか詳しく解説します。
必修科目が多すぎて単位を落としたら即留年
薬学部は必修科目が非常に多く、1つでも単位を落とすと留年してしまいます。選択科目で単位を補うことができない仕組みになっています。
特に有機化学、物理化学、生物化学、薬理学などの専門科目は難易度が高く、ついていけなくなる学生が続出します。高校で化学や生物を履修していない学生は特に苦労します。
定期試験は暗記量が膨大で、一夜漬けでは絶対に通りません。日頃からコツコツ勉強していないと、あっという間に置いていかれてしまいます。「こんなに覚えることがあるとは思わなかった」というのが多くの薬学生の本音です。
実験レポートと試験勉強で睡眠時間がまともに取れない
薬学部では実験科目が多く、実験後には必ずレポート提出があります。このレポートが非常に時間がかかり、徹夜で作成することも珍しくありません。
実験データの解析、考察、参考文献の調査など、1つのレポートに何日もかかることがあります。さらに複数の実験が並行して進むため、常にレポートに追われている状態です。
定期試験前でもレポート提出があるため、試験勉強の時間が確保できません。「睡眠時間3時間で1週間過ごした」という話も薬学生の間では珍しくありません。体力的にも精神的にも限界に近い状態で勉強を続けているのが現実です。
他の学部生が遊んでいる間も勉強漬けで辛い
薬学部は6年制のため、他の学部の友人より2年長く学生生活が続きます。しかも、その6年間はずっと勉強漬けです。
1〜2年生の間は他の学部の友人とも遊べますが、3年生以降は専門科目や実習が始まって忙しくなります。友人が就職活動や卒論で忙しい4年生の時期も、薬学生はまだ2年間勉強が続きます。
「友達がみんな社会人になって働いているのに、自分はまだ学生で勉強している」という状況は、精神的にかなり辛いものです。同年代との生活スタイルのギャップを感じて、孤独感を抱く学生も多いです。
薬学部を選んで後悔している人の生々しい体験談
実際に薬学部で学んでいる学生や卒業生の生の声を聞くと、後悔の深刻さがよく分かります。リアルな体験談をご紹介します。
医学部を目指せばよかったと後悔する薬学生の声
「薬学部に入ったものの、やっぱり医学部を目指せば良かったと後悔しています。同じ医療系なら医師の方が社会的地位も収入も高いし、やりがいも大きいと思うんです。」
これは薬学部3年生の声です。医学部と薬学部では学習内容が似ている部分もありますが、将来の待遇や社会的評価には大きな差があります。
「6年間勉強するなら医学部の方が良かった」という後悔は、薬学生の間でよく聞かれる声です。特に成績優秀だった学生ほど、この後悔を強く感じる傾向があります。
浪人してでも他の学部にすればよかったという失敗談
「現役で薬学部に合格したけど、浪人してでも工学部や理学部を目指すべきでした。薬学部は学費が高いし、就職先も限定されるし、良いことがありません。」
これは薬学部4年生の失敗談です。現役合格の安心感で薬学部を選んだものの、入学後に他の学部の方が良かったと気付くケースは多いです。
浪人を恐れて妥協的に薬学部を選んだ結果、6年間後悔し続けることになってしまいます。「1年浪人してでも、もっと良い選択肢があったはず」という思いは消えることがありません。
薬剤師になりたい気持ちが全くなくて虚無感が半端ない
「最初は薬剤師になりたいと思って入学したけど、実際に勉強してみたら全然興味が持てません。毎日の勉強が苦痛で、将来への展望も見えません。」
これは薬学部5年生の深刻な悩みです。薬学部で学ぶうちに、薬剤師という職業への興味を失ってしまうケースは珍しくありません。
しかし、5年生まで進学すると今更他の道に進むのは現実的ではありません。「やりたくない仕事のために勉強を続けている」という虚無感は、想像以上に辛いものです。この状態で国家試験勉強を続けるのは、精神的にかなり厳しいものがあります。
まとめ
薬学部への進学を後悔する人が多い理由は、高額な学費、厳しい勉強、国家試験のプレッシャー、就職後の待遇など多岐にわたります。
特に私立薬学部では6年間で1,500万円以上の学費がかかり、卒業後も借金返済に追われる現実があります。また、薬剤師の給料は期待していたほど高くなく、労働環境も決して良いとは言えません。
これから薬学部を目指す人は、これらの現実をしっかりと理解した上で進路を決めることが重要です。「薬剤師になりたい」という強い意志がなければ、6年間を乗り切ることは難しいでしょう。
現在薬学部で悩んでいる人は、一人で抱え込まず、家族や友人、大学のカウンセラーなどに相談することをおすすめします。後悔を糧にして、今後の人生をより良いものにしていく道はきっと見つかるはずです。